ここいらで一つ、お金の話を。 1795年までのフランスでは、リーブル(Livre/Livres)と呼ばれる単位のコインが使われていました。元々はローマ帝国の通貨リブラ Libraに由来する言葉で、重さ のポンドの意味もありました。また、コインの別称として「フラン Franc」と言う言葉が使われ、この語がフランス革命からユーロ導入までの間、フランスの通貨単位と して使用されました。 リーブルの上には、エキュ、ルイドールと呼ばれる貨幣がありました。リーブルの下の単位はソル(Sols スーとも呼ばれる)、ソルの下はドゥニエ(Deniers)と言うコイン があり、その換算は下の通りです。 ルイドール(Louis d'Or)金貨=時代によって違うが、だいたい20-30リーブル程度 金品位=6.12/6.69g(1640年) エキュ(Ecu)銀貨=時代によって違うが、だいたい3リーブル前後 1リーブル(livre)=20スー(Sols)、1スー=12ドゥニエ(Deniers) 他に高額金貨として、ピストール(pistole =10リーブル)も使われていました。なお、他国の通貨との交換レートですが17世紀から18世紀の時代では概ね、 1ポンド(イングランド)=12-14リーブル 1フルデン(オランダ)=1.2-1.6リーブル 程度と思われます(参考: The Marteau Early 18th-Century Currency Converter ttp://www.pierre-marteau.com/currency/converter.html、友清理士著 研究 社「イギリス革命史」p.87)。 現代日本の感覚では、1リーブル=2000円(「イギリス革命史」)程度とのことであり、1678年1月1日のバールを例に出せば、2000万円ふんだくったことになりま す。クレジットカードも銀行振込みも無い時代ですから、物資の買い付けや給料用に多額の現金を置いている船が多かったのです。 なお、船員の給与は、平水夫の場合、イギリスでは月30シリング程度(18-21リーブル)、オランダではその1.5-2倍でした。船乗りの場合、食料が全て支給される ため、その分だけ給料の額面が安いです。 また、1676年当時の商船の建造費(船体のみで装備品は含まない)は、平均的な大きさの商船である250トン(船の大きさを示す長さと幅から算出されるトン数 か、積荷重量を示すトン数かは不明)の船は、イギリスではトン当たり7ポンド2シリング6ペンス、建造費が安いことで知られるオランダではトン当たり4ポンド10シリ ングでした(海上交易の世界史歴史 http://www31.ocn.ne.jp/~ysino/index.htmlより)。私掠船の場合、国によって違いますが、平均的に言って船体の査定額の1/ 3から1/5が賞金として支払われていたようです。 |
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